なぜ岡谷JCTの事故は「41件」増えたのか? それでも工事を止められない根本理由
開通から半世紀を超え高経年化が進む日本の高速道路。2026年5月、運用40年の重要拠点・岡谷JCTで、経済の血流を維持しながら直す大規模工事が再開された。最大8~9kmの渋滞や146件に達した事故という負担のなか、安全への投資と社会活動をどう調和させるか。全国が直面する課題の最前線を追う。
渋滞の発生と追突事故の増加

中央道や長野道は片側2車線が基本だが、工事による車線の絞り込みで通れる枠が狭まるなか、いつも通りの車が押し寄せるため渋滞が起きる。走る場所が狭まるうえに気を配るべき情報も増え、自然と車の足が鈍る。
ただでさえトンネルや急なカーブが続き視覚情報が途切れがちになる環境もあり、規制区間での事故は前年より41件増え146件に達した。そのおよそ7割が追突事故である。
この背景には、自動ブレーキなど新しい運転支援の仕組みと、見慣れない臨時の道筋との間に生じるちぐはぐさが絡む。急に現れる仕切り板や曲がりくねった車線に対し、システムが手動切り替えを求めることがあり、判断の遅れを招きやすい。
さらに、物流業界で働く時間の管理が厳しくなったこともプロのドライバーの足かせとなっている。順調な走行からいきなり渋滞の最後尾が現れる状況は、ブレーキの遅れから追突につながる。混雑や事故は全体の配送予定を狂わせ広く経済の動きを滞らせるため、道の維持管理と同時に走る側の変化に合わせた対策が急務だ。