なぜ国は「軽タクシー解禁」に踏み切るのか? インバウンド「4270万人」時代、タクシーは“稼げる現場職”に変われるか
ドライバー不足が深刻化するなか、国土交通省は2026年6月から軽自動車タクシーを全面解禁する。運転手数がピーク時から半減する一方、訪日客は4270万人と過去最多を記録。車両コストの低減や担い手拡大につながる軽タクシーは、地域交通と働き方を変える新たな一手となるのか。
2026年、軽タク全面解禁

国土交通省は2026年6月から、国内のタクシー事業で軽自動車を使用可能にする。これまでのタクシー事業は一部を除いて普通車が原則で、セダンやミニバンが街の景色を作ってきた。以前は電気自動車の日産サクラが脱炭素や安全面から例外的に認められていたが、今回のルール変更でエンジンを積んだ軽自動車にも道が開かれる。
もともと国が軽自動車を遠ざけてきたのには理由がある。長い距離や時間を走る仕事柄、働く人の疲れや乗り心地を重く見てきたからだ。それでも方針を変えたのは人手の問題が大きい。ドライバーは2004(平成16)年度の42万8303人をピークに減り続けており、移動手段を守るため、車両性能の向上を背景に全面解禁へ踏み切った。
もちろん安全への備えは厳しく、サポカーSの機能や車内外を記録するドラレコの装備が欠かせない。営業所ごとの台数枠があるため、すぐに街が軽タクシーで埋まることはないだろうが、1台あたりの安さは地方の中小事業者にとって経営を支える力になる。
狭い道でもすいすい走れる軽自動車が広まれば、
・女性
・年配者
がドライバーとして働く場も増えるだろう。多様な担い手が加わることで、暮らしを支える移動の仕組みが形を変えながら広がっていく。自動車メーカーにとっても、軽を仕事の道具として提案できる新しい舞台が整いつつある。