「深夜にタクシーなんて来ません」 80代の「約4割」が免許返納を選ばない街、鹿児島県の自治体が始めたライドシェア実証の結果とは

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「午前0時」で足が途絶える地方の苦境。阿久根市が挑んだライドシェア実験は、8日間で利用17件、実働わずか2時間50分と採算の壁を露呈した。80代の4割超が免許返納を拒む超高齢化の現実。単なるデジタル化ではない、電話文化とデータ活用を融合した「移動の網」の再編は、地方再生の分水嶺となるか。

阿久根市が挑む地域交通の再編

鹿児島県阿久根市「日本版ライドシェア」(画像:阿久根市)
鹿児島県阿久根市「日本版ライドシェア」(画像:阿久根市)

 鹿児島県北西部の北薩地域に位置し、東シナ海を望む阿久根市。ここで今、移動のあり方が問われている。日本版ライドシェアと公共ライドシェアのどちらを選ぶかは、つまるところ法的な区分の問題だ。だが、交通の空白を埋める手段を求める地方自治体にとって、その本質的な役割に大きな違いはない。

 実際のところ、ライドシェアの成否は自治体によって驚くほど差が出るものだ。成功を収めているケースの多くは、観光客などの外部需要をうまく取り込んでいる。一方で、住民の日常的な足を支える生活圏型のモデルとなると、話はそう簡単ではない。需要が広い範囲に分散してしまうため、効率よく車両を動かすことが極めて難しくなるからだ。

 こうした厳しい状況にありながら、阿久根市のように、将来への材料を積み上げようと熱心に動く自治体がある。事業化へのハードルは決して低くない。それでも取り組むのは、民間の収益性だけに頼っていては、地域の移動手段が消えてしまうという危機感があるからだろう。行政が地域の現実をどう守り抜くか。その切実な模索が続いている。

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