ベテラン運転手は「個人タクシー」に転向すべき? 年収750万円も現実? 自由とリスクの分岐点、ライドシェア時代で考える
進むフリーランス化

さまざまな業界でフリーランス化が進み、働き方が多様化するなかで、タクシードライバーの働き方にも変化が出てきている。
そのなかでも注目されているのが、
「個人タクシー」
への転換だ。働き方改革の流れで、自分のペースで働きたい、収入を自由にコントロールしたいというニーズが、この動きを後押ししているのかもしれない。ただ、業界の環境が変化するなかで、運営にともなうリスクなどの課題も見逃せない。
本稿では、現役タクシードライバーである筆者(二階堂運人、物流ライター)が、個人タクシーへの転換にともなうメリットとデメリットについて、そしてその可能性と課題について考察する。
個人タクシー転換の四つの道

個人タクシーになるためには、誰でも簡単に転換できるわけではない。タクシー会社に勤めて
「10年以上の実務経験」
が必要であり、申請時に直近3年間無事故・無違反の実績も求められるなど、いくつかの条件を満たさなければならない。これらの資格をクリアした上で、個人タクシーになる方法は以下の4通りがある。
1.(新規許可)新規に許可を得る
2.(譲渡譲受)既存個人タクシー事業者の事業を譲り受ける
3.(死亡後譲渡)死亡個人タクシー事業者の事業を譲り受ける
4.(相続)既存個人タクシー事業者の事業を相続する
※東京都個人タクシー協会から一部抜粋
個人タクシーにはさまざまな形態があり、単に“個人”タクシーといっても、その内容は多様である。
・各都道府県にある組合や協会に加入する
・また最近では大手タクシー会社と提携、のれん分けして営業する
・どこにも属さずに独立して営業する
という、三つのパターンが存在する。
組合や協会に加入する場合、申請時や事業運営時に必要な事務手続きをサポートしてもらえ、営業面でもチケットやクーポン、無線配車などが利用できる。大手タクシー会社と提携、のれん分けする場合も、専用乗り場やチケット、無線配車など、タクシー会社のサービスをそのまま利用できるため、営業面で有利になる。
しかし、何にも属さないフリーランスの場合、事務手続きや営業開拓を自分で行わなければならず、より高いスキルが求められる。