「庶民の街」 東京・大山で進む再開発! 池袋5分なのに“未開拓” 「坪65万円上昇」が映す東上線沿線の異変

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定期利用12%減という衝撃。苦境の東武鉄道が池袋至近の「大山」に投じる1200億円は、鉄道経営を一新する号砲だ。地価が5年で坪65万円急騰するなか、目指すのは輸送効率から住民支出の拡大への転換である。伝統の商店街文化と巨大資本が火花を散らす再開発は、人口減少下の沿線ビジネスにどのような解を示すのか。

定期減少と沿線収益化

ハッピーロード大山商店街の位置(画像:OpenStreetMap)
ハッピーロード大山商店街の位置(画像:OpenStreetMap)

 大山の駅前が新しくなることは、東武鉄道が沿線の価値を高めるうえで、またとない好機といえるだろう。

 東武鉄道の輸送人員をたどると、2019年度の約9.21億人から2024年度には約8.58億人へと減っている。とりわけ鉄道事業の屋台骨であった定期利用は、約6.06億人から約5.33億人へと12%も落ち込んだ。

 大山駅に限ってみても、1990年代には1日平均で5万4000人近い乗客を記録していたが、2024年度には4万8683人まで数字を下げている。出勤スタイルの変化や少子化が影を落とすなかで、これまでの安定した収益基盤に寄りかかるのは難しくなってきたのかもしれない。

 これからは乗客の数だけを追うのではなく、住民が駅周辺で使う金額をいかに増やすかという方向へ、収益の形を入れ替えていく必要がある。大山駅は各駅停車しか止まらないものの、今なお1日に約5万人もの人たちが利用している事実に変わりはない。

 アンテナショップ「とれたて村」の成功に象徴される商店街の集客力と、都心に近い駅周辺の利便性がかみ合えば、これまでのイメージを超えて、高い価値を持つ都市部としての評価が定まっていくはずだ。

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