ただの「うるさいトラック」じゃなかった? SNS広告疲れの時代に、“街を走る広告”が再評価される理由
広告認知56.4%、購買検討は8.1倍――。騒音や景観問題で賛否を呼ぶアドトラックが、いま都市広告市場で存在感を強めている。スマホ広告が流される時代、4t車両の“物理的な圧”が消費者心理を動かし始めた。
購買検討を8倍にする移動資産

渋谷のスクランブル交差点や新宿駅東口を歩いていると、音楽を流しながら巨大なビジュアルを掲げたアドトラックが横切っていく。その瞬間、思わず「またか」と顔をしかめる人もいるだろう。一方で、街を離れた数時間後、SNSで同じ広告が流れてきたり、ふとECサイトでその商品を検索したりした経験を持つ人も多い。
騒がしい存在と思われがちなアドトラックだが、実は人々の買い物の背中を強く押している実態が、最新の調査から浮かび上がってきた。2026年5月、モビリティ広告を手がけるohpner(東京都渋谷区)は、その効果を調査。2月に実施されたこの調査は、新宿、渋谷、横浜など主要12エリアを週に1回以上訪れる一都三県の20代から40代、男女3978人を対象としている。実際に街を走行した5件の広告を素材に、インターネットリサーチを通じてその反応を詳しく追いかけたものだ。
結果を見ると、広告に気づいた人は「56.4%」にのぼり、関心を持った人は61.8%、実際に買おうと考えた人も55.7%に達した。特筆すべきは広告認知者と非認知者の差だ。認知者は商品を知る割合が約4.7倍、興味を持つ割合が約5.1倍となり、購入検討にいたっては
「約8.1倍」
まで跳ね上がっている。街に大きな車両を出し続ける振る舞いが、企業の力や信頼を無意識に刻み、物理的な大きさがもたらす力が今あらためて効き始めているのだ。