トヨタ「989万台」独走――日産、ホンダはどうなる? 限られた市場を奪い合う8社体制、雇用を支える土台に危機

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トヨタが989万台で過去最高を更新する一方、日産・ホンダは減産に沈んだ。国内8社の明暗は鮮明だ。EV化と中国勢の台頭で必要規模は700万台時代へ――分断された体制は生き残れるのか。

8社体制の限界と産業淘汰の幕開け

トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 国内乗用車メーカー8社が公表した2025年度の世界生産実績から、企業間の力の差が隠しようのない形で突きつけられた。トヨタ自動車が年度として過去最高の989万台を記録した一方、日産自動車やホンダは前年を下回り、足踏みが続いている。8社の合計生産台数は2422万5229台と前年比0.4%の伸びに留まった。このわずかなプラスという結果以上に、日本勢全体が世界の成長市場から切り離されつつある実態が重い。

 こうした勢いの違いは、一時的な景気の変動が原因ではない。トヨタが見せた数字の裏には、先行きが見えない状況下で効率よく資金を回し、着実に資産を増やす地力が透けて見える。対照的に、実績を落とした企業は、次世代の開発を支えるための稼ぎを失いつつあるのが現実だ。

 世界的な電気自動車(EV)への移行や中国メーカーの台頭、さらに米政権による関税強化といった荒波が押し寄せ、これまで守られてきた8社体制は、限られた市場を奪い合う消耗戦の様相を呈してきた。勝ち負けの境界線がはっきり引かれたことは、日本の産業がこれまでの投資競争を終え、いよいよ厳しい淘汰をともなう局面へ入ったことを示している。

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