トヨタ「989万台」独走――日産、ホンダはどうなる? 限られた市場を奪い合う8社体制、雇用を支える土台に危機
トヨタが989万台で過去最高を更新する一方、日産・ホンダは減産に沈んだ。国内8社の明暗は鮮明だ。EV化と中国勢の台頭で必要規模は700万台時代へ――分断された体制は生き残れるのか。
勝ち組と負け組を分かつ収益構造の二極化

乗用車メーカー8社の世界生産は、全体では2年ぶりにプラスへと転じた。数字の上では回復しているように見えるものの、その内実をのぞけば、勢いに乗る4社と苦境に立たされる4社の間で、埋めがたいほどの溝ができている。
勝ち組の筆頭は、ハイブリッド車の需要を各地で手堅く拾い上げたトヨタだ。これに続くのが、前年比7.2%増の353万台という実績で2位に躍り出たスズキである。インドという特定の巨大市場で圧倒的な地位を固めている強みが、地政学的な混乱から事業を守る防波堤となっている。三菱自も、海外生産の減少が続くなか、90万台超というラインを何とか守り抜いた。ダイハツの8.9%増については、認証問題による停滞からの戻りや、新しい車の投入が数字を押し上げた形だ。
一方で、日産は国内の生産・販売ともに13%前後の落ち込みを見せ、ホンダも中国での苦戦から海外生産が10%近く減るなど、厳しい。マツダやスバルにしても、米国の関税をめぐる動きが影を落とし、輸出や現地での動きが振るわない。
実績の明暗は、そのまま経営の体力差に跳ね返る。生産規模が縮む企業は、一台あたりの固定費が膨らみ、将来のために不可欠な研究開発費を削らざるを得ない。好調な企業が次世代技術への積み立てを急ぐ横で、苦戦する側は日々の維持費を捻出するだけで手一杯。収益構造の二極化は、避けて通れない段階に来ている。