トヨタ「989万台」独走――日産、ホンダはどうなる? 限られた市場を奪い合う8社体制、雇用を支える土台に危機
トヨタが989万台で過去最高を更新する一方、日産・ホンダは減産に沈んだ。国内8社の明暗は鮮明だ。EV化と中国勢の台頭で必要規模は700万台時代へ――分断された体制は生き残れるのか。
緩やかな連携の限界と抜本的な体制変更の必然性

8社体制がたどり着く先として、現実にはどのような姿があり得るのか。まず思い浮かぶのは、技術の融通や生産での助け合いといった、ゆるやかな結びつきだ。
電動化やソフトの開発ですでに始まっている協力の輪は、その流れにある。だが、こうした歩み寄りには限界も見える。資本を交わさないままの協力は、誰が責任を持つのかがぼやけやすく、考えの食い違いが判断を遅らせる。AIや半導体の技術が瞬く間に進化するなか、話し合いで足並みを揃える手法では、他国の勢いには太刀打ちできない。
会社そのものをひとつにする再編の道も、現実味を帯びてくる。将来への投資が重くのしかかり続ければ、規模を大きくして効率を上げようとする動きは速まるはずだ。また、ITを本業とする異業種が主導権を握る場面も出てくるだろう。車づくりとソフトが切り離されてしまえば、これまでのメーカーは自らの価値を失いかねない。
とはいえ、ただ組織を膨らませるだけで難局を乗り越えられる保証はない。たとえ体が大きくなっても、開発の進め方や組織の空気が変わらなければ、本当の強さは身につかないからだ。中国勢の速さも、組織の大きさよりは、変化にすぐさま応えられる柔軟な体制から生まれている。
今求められているのは、古い資産を整理し、次世代の土台となるデータ基盤へ資金を注ぎ込む、思い切った体制の作り替えだろう。