「日本を選ぶ理由がない」 週140便が消えた空路で何が起きているのか? アジアで進む国際ネットワークの再編と空港競争

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訪日需要が戻る一方、燃料不足で週140便超が就航見送りに追い込まれた。SAF確保を巡る競争が激化する中、日本は供給の遅れとコスト高に直面し、路線縮小や拠点移転の動きも出始めている。空のネットワークから外れるリスクが現実味を帯びてきた。

補助金と規制が主導する国際競争

今後20年で世界の航空輸送需要は世界で2倍以上に成長する見込みだ(画像:JAL REPORT 2025)
今後20年で世界の航空輸送需要は世界で2倍以上に成長する見込みだ(画像:JAL REPORT 2025)

 世界の市場を見渡せば、補助金と規制を巧みに組み合わせた国同士の覇権争いが熱を帯びている。米国は巨額の税額控除を打ち出し、世界中の投資を自国へと力強く引き寄せ始めた。一方の欧州連合(EU)も、域内の空港でSAFの混合を義務化し、違反には罰則を科すという強硬なルールを敷いている。こうした動きは自国の産業を育てるのみならず、他国の航空会社に対しても実質的な負担を強いる「見えない壁」となりつつある。

 日本もようやく重い腰を上げ、対抗策に乗り出した。国内でSAFを供給する企業を支えるべく、法人税から1Lあたり30円を差し引く新たな税制を設けている。だが、先行する欧米の圧倒的な支援規模に対し、どこまで食らいついていけるかは予断を許さない。

 結局のところ、国際的なルールづくりの場で主導権を握れるかどうかが、すべてを決めることになるだろう。そこで競り負ければ、日本は欧米が作り上げた枠組みのなかで、高いコストを払い続ける側に固定されてしまう。自国にとって有利な土俵を整えられなければ、日本の航空産業が誇ってきた競争力は、なし崩し的に失われていくに違いない。

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