「日本を選ぶ理由がない」 週140便が消えた空路で何が起きているのか? アジアで進む国際ネットワークの再編と空港競争

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訪日需要が戻る一方、燃料不足で週140便超が就航見送りに追い込まれた。SAF確保を巡る競争が激化する中、日本は供給の遅れとコスト高に直面し、路線縮小や拠点移転の動きも出始めている。空のネットワークから外れるリスクが現実味を帯びてきた。

供給網未整備が招く経済負担

空港のイメージ(画像:Adobe Stock)
空港のイメージ(画像:Adobe Stock)

 独自の供給網を築き上げることができなければ、日本は経済的に重い負担を払わされることになる。環境への向き合い方を重視する欧米の航空会社は、すでにSAFを十分に確保できない空港への就航を避け始めている。このままでは地方空港の問題に留まらず、成田や羽田といった主要空港までもが国際的なネットワークから切り離され、日本が「素通り」される懸念すら現実味を帯びてきた。訪日客を呼び込んで経済を回そうとする国の観光戦略にとって、これはあまりに大きな誤算といわざるを得ない。

 とりわけ、薄利で動く格安航空会社(LCC)への影響は深刻だ。燃料費の跳ね上がりを運賃に転嫁しきれず、日本路線の維持を諦める動きが出てくるだろう。空のインフラを利用できるのが一部の層に限られてしまえば、これまで地方を支えてきた幅広い層の訪日需要はしぼんでいく。

 さらに、高価な海外産のSAFに頼り切りになれば、それはそのまま運賃の上昇に直結し、国内の旅行需要をも冷え込ませる。結果として膨大な資金が海外へ流れ続け、日本のエネルギー自給の基盤は脆くなる一方だ。運賃の上昇と路線の縮小。その先には、日本が国際市場の主役から降りていく未来が見えてくる。

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