「日本を選ぶ理由がない」 週140便が消えた空路で何が起きているのか? アジアで進む国際ネットワークの再編と空港競争
訪日需要が戻る一方、燃料不足で週140便超が就航見送りに追い込まれた。SAF確保を巡る競争が激化する中、日本は供給の遅れとコスト高に直面し、路線縮小や拠点移転の動きも出始めている。空のネットワークから外れるリスクが現実味を帯びてきた。
産官学連携による供給体制整備

「日本素通り」という最悪のシナリオを回避するには、産業界と行政、そしてアカデミアが足並みを揃え、これまでにない速さで動かなければならない。国内ではすでに、日本航空や全日本空輸、日揮などが参画する有志団体が、原料の調達から給油に至るまでの供給網を築こうと奔走している。
ENEOSなどの石油大手も、既存の製油所をSAF製造の拠点へと作り変える量産計画を具体化させ始めた。政府も数百億円規模の支援を打ち出してはいるが、それだけで事態が好転すると楽観視できる状況ではない。
真に先を見据えるならば、二酸化炭素と水素から生み出す
「合成燃料(e-SAF)」
の開発を急ぐべきだろう。原料に限りがあるUCOへの依存を断ち切り、技術の力で供給の壁を突き破るためだ。同時に、前述の通り国内の貴重なUCOが海外へ流出するのを食い止める法整備や、きめ細かな回収体制の構築など、より踏み込んだ一手も欠かせない。
航空燃料を外から買うものから
「国内で生み出せる資源」
へと認識を改めること。それが、日本の空の自由を守るための最後の手立てとなるはずだ。もはや、立ち止まっている時間は残されていない。