「技術の魂を取り戻せ」 ホンダ、最大2.5兆円損失からの復活劇? 過剰なEV戦略を乗り越え「三現主義」の再生なるか
ホンダが上場以来最大となる6900億円の最終赤字に直面。累計2.5兆円規模の損失処理は、EV戦略の揺らぎと組織の歪みを直視し、ものづくり回帰を迫る転機となる。
存在意義の明確化を迫る局面

2.5兆円という巨額の損失をあえて飲み込む。これは、一時的な見通しの狂いを繕うための場当たり的な処理ではない。2026年3月期、上場以来で初となる6900億円規模の最終赤字。この異例の事態は、ホンダがこれからどこに自らの身を置くのかを問い直す、大きな節目となるはずだ。
突きつけられているのは、効率や数字を追うあまりに薄れてしまった
「技術で世の中の当たり前を塗り替える」
という気概を、もう一度つかみ取れるかという問いだ。誰もが使える移動手段を広く届ける会社であり続けるのか。あるいは創業期のように、技術の深みへと潜り続けるものづくりの集団へと戻るのか。今、その岐路に立っている。
あえてこの重い荷を背負う意味は、表面的な見栄えを整える経営と決別することにある。理屈よりも、目の前にある現場の事実に重きを置く。その原点に立ち返るという固い意志を、世の中に、そして何より自らへ示すための荒療治ともいえるだろう。