「ここまで差がつくのか……」 中古査定で「マニュアル車」の扱いが180度変わってしまったワケ――需要と市場構造が生んだ評価の分かれ目とは
AT比率が98%超に達した日本では、免許の約68%もAT限定となり、中古車市場でもATが主流だ。一方、MTは希少性や用途により評価がわかれ、実用車と趣味車で価格差が拡大。流通構造と需要の違いが査定額を左右している。
AT化が進んだ構造

日本の中古車査定では、オートマチック・トランスミッション(AT)とマニュアル・トランスミッション(MT)の間に価格差が生じることが一般的である。その背景には、新車販売の段階でATが圧倒的多数を占めている現状がある。
乗用車のトランスミッション構成比を統計で振り返ると、1990(平成2)年時点ではMTが27.5%、ATが72.5%であった。その後もAT化は進み、2016(平成28)年には新車販売の約
「98.4%」
がAT車というデータも示されている。現在の日本市場が、ほぼATを前提として動いていることは数値から明らかである。
この流れは、日本の交通環境においてATが一般的な存在になったことを意味している。メーカーの生産から部品の供給、整備の体制に至るまで、車を扱う多くがATを前提に整えられてきた。その結果、MTは維持や修理に手間がかかる扱いにくい存在となり、効率を重視する市場のなかでは優先度が下がっていった。こうした変化が、中古価格にも影響を与えている。