「ここまで差がつくのか……」 中古査定で「マニュアル車」の扱いが180度変わってしまったワケ――需要と市場構造が生んだ評価の分かれ目とは
AT比率が98%超に達した日本では、免許の約68%もAT限定となり、中古車市場でもATが主流だ。一方、MTは希少性や用途により評価がわかれ、実用車と趣味車で価格差が拡大。流通構造と需要の違いが査定額を左右している。
用途別でわかれる評価

MT車の新車販売比率は、近年おおむね1~1.5%ほどにとどまり、市場の大半はAT車が占めている。国内の新車市場では、新車の約95%以上がAT車であり、MT車は数が明らかに少ない。
中古車市場では、この数の少なさと、それを求める人の多さが重なったときに査定額が大きく上がる。一方で実用車では、幅広い人が運転できるAT車の方が選ばれやすく、その結果として査定でも有利になりやすい。
重要なのは、MTかATかという区分そのものではなく、その車を求める人たちがどのような価値を見るかという点である。実用車におけるMTは、修理部品の手当てにかかる費用や再販売の手間の大きさから、時間の経過とともに価値が下がりやすい。一方で、一部のスポーツモデルにおけるMTは、代わりのない体験を得るための限られた存在として扱われる。
査定額は、その車が市場で必要とされるか、あるいは残す価値があると見られるかを示す目安となる。トランスミッションの違いは、今の時代において、その車がどの位置にあるかを見極めるための手がかりとなっている。市場の状況を踏まえれば、どちらが高くなるかは一様には決まらない。