日本車ついに「首位陥落」――トヨタは6年連続“王者”孤軍奮闘も、国別で中国逆転、勢力図を塗り替える構図を考える
2025年の世界新車販売で中国勢は約2700万台と日本の約2500万台を上回り首位に浮上した。一方で企業別ではトヨタが1132万台で首位を維持。EV政策や価格競争の変化を背景に、台数順位だけでは測れない産業構造の揺らぎが鮮明になっている。
産業を変える地政学

米国市場では、規制や関税、州ごとの法律が中国車の参入を抑える役割を担っている。一方で、カナダやメキシコといった周辺国を経由した回り道をめぐり、国ごとの制度の差を利用する動きが強まっている。
カナダ政府は、年間最大4.9万台という枠を設けたうえで、中国製EVに対する関税を6.1%に下げると表明した。この動きに対して、カナダを経由して米国へ中国車が流れ込むのではないかという懸念が高まっている。
さらに、カナダに近い米ワシントン州が、販売店を介さないメーカーの直接販売を認めたことで、状況はより複雑になった。これに対し、AAIは、ワシントン州の判断が結果として中国車の参入を後押ししているとして強く批判している。
かつては、ひとつの大きな拠点でまとめて生産し世界へ供給する形が効率的とされていた。しかし現在は、地域ごとに異なる規制や対立が広がり、その前提が揺らいでいる。自動車は移動の手段にとどまらず、国の安全にも関わる存在として扱われるようになった。州ごとの法律が国際的な取引の仕組みに影響を及ぼす状況は、この産業が国同士の駆け引きの場に置かれていることを示している。