「車道なんて怖くて走れません」 青切符導入でも約7割が“継続”を選択――生活の足を狙い撃つ「移動のデッドエンド」とは
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2025年、自転車と歩行者の事故は全国で3269件、うち99.9%で自転車側に違反。青切符導入で罰金が課されても、主婦・主夫の68.8%は依然として自転車を手放せない現実が浮かぶ。
制度評価の視点

この制度の是非を問うとき、賛成か反対かといった二択で割り切るのは難しい。物事の本質を見極めるには、別の角度から光を当ててみる必要がある。
まず考えたいのは、これが交通のあり方を正すものなのか、あるいは人々の暮らし、つまり社会保障の根幹に関わるものなのか、という問いだ。日々の生活に欠かせない移動の足を支えている以上、反則金を支払うことは、実質的に家計が自由に使えるお金を削ることにほかならない。これは家計にさらなる重荷を背負わせる、事実上の増税と同じような響きを持っている。
次に、規制を強めるという手法が、本来進めるべき道の整備の遅れをごまかすためのものになっていないか、という懸念がある。安心してペダルを漕げる道がないまま、規則の縛りだけをきつくすれば、事故が起きたときの責任がすべて使う側の落ち度として片付けられてしまうおそれがある。
そして、これが違反そのものをなくすための仕組みなのか、それとも反則金という名のお金を集めるための仕組みなのか、という点も無視できない。制度がうまく機能しているかどうかは、どれだけ多くの違反を摘発したかではなく、いかに違反をせずに済む環境を整えたかで測られるべきだろう。しかし、今まさに始まろうとしている仕組みが、本当にその目指すべき場所に向かっているのか。その確かな答えはいまだ隠れたままである。