「月100万円稼ぎました!」 なんと都内タクシードライバーの61%が達成の現実――異例の数字は、時代の追い風か、それとも新常識か?
東京都のタクシードライバーの61%が月収100万円以上を経験する一方、全国では7割が40万円以下。配車アプリや人口密度の違いが生む都市と地方の収入格差は、働き方や産業の形を大きく変えつつある。
不安定な高収入

収入は上がりつつあるが、その中身は安定しているとはいい難い。調査では、ドライバーの48.0%が売り上げが一定せず、将来の収入を見通しにくいと答えている。
事故やトラブルへの緊張を常に感じている人も多い。41.2%がその負担を挙げ、38.4%は夜勤や隔日勤務による体力面のきつさを訴えた。さらに37.9%が、乗客とのやり取りによる精神的な負担を感じているという。
高い収入が語られる一方で、その背景にはこうした不安定さがある。売り上げが急に落ちる可能性を抱えながら働く仕事でもある。思わぬトラブルや体調の変化も、基本的には自分で引き受けるしかない。収入を伸ばせる可能性がある半面、安定とは引き換えの働き方でもある。
地方のタクシーは、都市とは違う難しさを抱えている。全国で見ると、月収40万円以下が中心で、この層が全体の約7割を占める。数字の重みは小さくない。
東京都以外では、年収1000万円を狙うのは「絶対に無理」と考える人が28.7%に達している。東京との間には、簡単には越えられない差がある。
都市部では人口が密集し、夜も人の動きが活発だ。地方ではその条件がそろわない。効率よく走る工夫を重ねても、そもそもの利用者が少なければ売り上げは伸びにくい。
需要が薄い地域では、配車アプリを使っても迎車の距離が長くなりやすい。燃料費や移動時間が増え、利益を削る。収入が伸びなければ働き手は離れ、車両が減る。すると利便性が下がり、利用者も減っていく。
こうした流れのなかで、地方のタクシーは都市とは別の条件のもとで動いている。同じ仕事でも、収入の前提が大きく違う状況になっているのだ。