「プラグインハイブリッド車」ブームは1年で終焉か? EVの弱点を補った「次世代電動車」が“真の本命”に躍り出る理由
2025年、世界のPHV販売は前年比17%増の800万台に迫った。しかし実態は高コストと環境性能の乖離が課題。現実的な航続距離を確保するEREVが注目を集め、電動化の勢力図が揺れ動き始めている。
米国PHV市場の変化

米国市場ではPHV離れが鮮明で、複数のモデルが生産中止となり、販売現場から姿を消しつつある。2025年10月以降、米国のPHV販売は前年実績を下回り続け、2026年1月には前年比48%減と大幅に落ち込んだ。平均車両価格は前年から約1割上昇しており、需要の減退と価格高騰が重なったことで、メーカー各社はPHVを商品群から外す動きを強めている。
この動きをけん引するのはステランティスだ。この1年でジープ「グランドチェロキー/ラングラー・4xe」、クライスラー「パシフィカ」、アルファロメオ「トナーレ」、ダッジ「ホーネットR/T」など、5モデルの提供を停止した。フォードも2025年に「エスケープ」や「コルセア」のPHVを廃止し、ラインアップからPHVが消えた。起亜やボルボなど海外勢もこれに続き、PHVの販売終了を計画している。
縮小の背景には、メーカーの収益重視の戦略転換がある。PHVは、HVとEVの機能をひとつに詰め込んだ構造で、EV用の主要部品を網羅しながら、内燃機関や従来の動力伝達部品も搭載する。その上で両者を連携させる補機類も必要となる。結果としてPHVは、あらゆるパワートレインのなかで最もコストが膨らむ存在となった。
収益を圧迫する重荷を切り捨てることが、企業の生存を左右する状況だ。PHVは将来にわたって価値を維持すべき存在なのか、それとも合理化の過程で淘汰されるべき存在なのか。市場は冷徹にその答えを示しているのだ。