「プラグインハイブリッド車」ブームは1年で終焉か? EVの弱点を補った「次世代電動車」が“真の本命”に躍り出る理由

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2025年、世界のPHV販売は前年比17%増の800万台に迫った。しかし実態は高コストと環境性能の乖離が課題。現実的な航続距離を確保するEREVが注目を集め、電動化の勢力図が揺れ動き始めている。

PHVの利用実態と課題

コンシュマーレポートによる調査結果の一部(画像:コンシュマーレポート)
コンシュマーレポートによる調査結果の一部(画像:コンシュマーレポート)

 PHVは、日常的に充電しなければ本来の性能を発揮できず、実態としてはHVと同じ運用にとどまる。この状況が広がった結果、排出されるCO2は当初の想定を大きく上回ることが明らかになった。

 PHVは蓄えた電力で走る間は排出をゼロに抑えられるが、エンジン走行時には燃費に応じた負荷がかかる。欧州の実測データでは、充電を避けてエンジン走行や発電に頼るユーザーが多く、結果として環境負荷が増大している。

 当局もこの実態を重く見て対応を急いだ。2025年に欧州で導入された規制「Euro 6e-bis」では、試験距離を800kmから2200kmへ大幅に延長し、電力走行の割合を低く見積もるよう改めた。その結果、ユーティリティファクター(UF)の算出値が実態に近づき、カタログ上のCO2排出量は従来の3倍前後に膨らんだ。

 具体例では、メルセデス・ベンツ「C300e」は12~16g/kmだった数値が、現在は47~52g/kmに上昇。プジョー「3008 ALLURE Plug-in Hybrid」も19g/kmから55g/kmへ急増した。環境貢献の根拠とされてきたカタログ値が、もはや実態を反映していないことが示されている。

 品質面でも課題は深刻だ。EV専門メディア「クリーンテクニカ」は、PHVの不具合がエンジン車より8割も多いと報じている。米国の消費者団体「コンシューマー・レポート」が2020~2025年に販売された38万台のデータを分析したところ、HVはエンジン車よりトラブルが15%少ないのに対し、PHVは8割増の問題を抱えていた。ふたつの異なる動力源をひとつの車体に詰め込む構造上の制約が、故障リスクとして現れている格好だ。

 制度上の優遇を受けてきたPHVだが、ユーザーの行動変化をともなわない技術が本当に環境対策となり得るのか。あるいは、品質と環境性能の両立を阻む構造的な壁に直面しているのか、厳しい視線が注がれている。

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