「丸一日つぶれました」 なぜ免許センターは駅から遠すぎる場所にあるのか?――ハガキのたび憂鬱になる“時間税”の正体

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全国に94か所しかない免許センター。その多くが郊外に置かれるのはなぜか。1980年代の業務集約と即日交付を支えた“広大な用地”という合理性が、いまも利用者の移動時間という見えないコストを生み続けている。

構造の理解

免許センターはなぜ不便か。
免許センターはなぜ不便か。

 免許センターがあれほど通いにくい場所にあるのは、役所が無能だからではない。1980年代当時としては合理的だった判断の積み重ねが、結果として現在の不便な配置を生んでいる。当時は、紙の書類や情報をいかに速く処理するかが行政効率の核心だった。人も業務も一か所に集約することが、最も合理的な方法だったのである。

 しかし現在は、技術が大きく進歩したにもかかわらず、施設の立地や建物といった「かたち」だけが当時のまま残っている。

 その結果生まれているのが、「即日交付」という利便性の裏で私たちが支払っている移動時間というコストだ。たとえば埼玉県では2003年以降、すべての警察署で免許の即日交付が可能になった。更新手続きに限れば、必ずしも一か所に集まり続ける必要はないことを示している。

 それでもなお、筑波の農事試験場跡地のような郊外立地に拠点が残り続けるのは、大規模なコースを維持・管理しやすく、過去に取得した広大な土地を活用し続けられるという、組織側の事情があるからだ。

 全国に94か所しかない免許センター(試験場)の立地は、利用者の利便性よりも、管理コストや既存の不動産資産の都合を優先して決まってきた。その不便さに私たちが違和感を抱くのは、知らないうちに組織の合理性に合わせた負担を引き受けているからだろう。この仕組みをどう評価するかは、読者それぞれに委ねられている。

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