「トヨタ、ホンダも他人事ではない?」 ヒョンデ「北米100万台突破」でも純利益1兆円減――売れるほど利益率が削られる根本理由

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売上高186兆ウォン、北米100万台突破。絶頂の現代自動車を襲ったのは、71億ドルの純益減という衝撃の決算だった。4.1兆ウォンの関税が利益を飲み込む矛盾は、トヨタやホンダをも巻き込む製造業のルール変更を告げている。AIへの17.8兆ウォン投資で挑む変革の行方は。激変する2026年の羅針盤を提示する。

関税の津波に飲まれた好調

HYUNDAI IONIQ 9(画像:現代自動車)
HYUNDAI IONIQ 9(画像:現代自動車)

 韓国の現代自動車(ヒョンデ)が発表した2025年通期決算は、世界中の関係者に大きな衝撃を与えた。2025年の売上高は186兆ウォン(約20兆円)を超え、前年比で6.3%増という過去最高の数字を記録している。北米市場での年間販売台数も初めて100万台の大台を突破しており、製品そのものの競争力は絶好調といえる。しかし、その優れた業績の裏側で、純利益は約71億ドル(1兆1050億円)、率にして約21.7%という大幅な減少に陥った。

 グローバル市場、特に北米においてヒョンデがブランドとしての地位を固め、多くの消費者に支持されている事実に疑いの余地はない。今回の決算で見られた最大の問題は、本業の販売が非常に好調であったにもかかわらず、手元に残る利益が大幅に削り取られたという矛盾した現象だ。

 その背景には、2025年4月に米国が発動した「対米関税25%」措置がある。この措置は同年11月に15%へ引き下げられたものの、通年での影響は深刻だった。関税の支払いによる直接的な負担だけで、約4.1兆ウォンもの巨額な資金が失われた計算になる。

 これまで輸出を増やして利益を積み上げる手法で成長してきたが、国境を越える際にかかる費用が利益を打ち消してしまうという、極めて厳しい状況に直面している。市場での販売規模を拡大すればするほど、政治的な判断によって発生するコストも膨らんでいく構造になっており、効率を追求した従来の輸出モデルが、保護主義的な政策の前では通用しなくなっている現状がはっきりと示された――。

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