高市政権と「チームみらい」を勝たせた23%の正体――彼らは“EV購買層”へと転じるのか? 理念と生活のずれが突きつける現実

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2026年衆院選を動かした有権者の23%、最多勢力「新しいリベラル」はEV普及の救世主か。次世代投資を渇望する彼らの理念に対し、壁となるのは平均62歳の首長が守る古い都市構造だ。若手首長なら子育て予算が36%増えるデータが示す通り、電動化の成否は補助金よりも社会の世代交代という本質に懸かっている。

「新しいリベラル」とEV

高市早苗首相(画像:時事)
高市早苗首相(画像:時事)

 日本の有権者の23%。いま、最も厚い層をなしているのが「新しいリベラル」と呼ばれる人たちだ。高齢層への手厚い配分よりも、子育て世代や将来の世代へとお金を回すことを優先したいと考える。国の守りについても、理想だけを追わずに現実を見据えた判断を受け入れる。

 では、この層は電気自動車(EV)が主導権を握る社会を、自分たちの暮らしのなかに迎え入れるのだろうか――。

 EVへの移行は、空気を綺麗にするという話に留まらない。産業のあり方を変え、都市の使われ方に影響し、家計の将来的な見通しにも深く関わってくる。どの車を選ぶかは、月々の払いだけで決まるものではない。数年先の収入や、どこにどう住むかという想定とも深く結びついているからだ。

 補助金の額や充電場所の数を見ているだけでは、彼らの動きは見えてこない。世代としての問題意識、限られた生活時間、将来への備え、そして社会の分断を嫌う感覚。そうしたものが水面下で働いている。23%という規模は重い。車の選び方が変われば、流通の姿も一変するはずだ。一方で、長く続いてきた持ち方や慣習が、その動きを飲み込んでしまう恐れもある。

 この層の存在感は、2026年2月の衆院選ではっきりした。勝利を収めた高市政権と、結党から間もなく11議席を得た「チームみらい」。立ち位置は違うが、どちらも「次の世代に資金を振り向ける」という訴えを前に出した。右か左かという争いより、未来のどこに資源を投じるかという軸で人びとが共鳴したと見るほうが自然だろう。

 その判断の先に、EVという選択肢も並んでいる。未来に賭けるのか、いまの利便を取るのか。政治で示された傾きは、移動手段の選び方にもにじみ出ている。

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