「EV時代でも手放しません」 223人の調査で分かったクラシックカーの正体――効率至上主義に抗う“反転市場”の台頭か

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EVシフトによる効率化の裏で、旧車の価値が「資本」へと変貌している。オーナー調査では50.2%が造形美、30.9%が資産性を重視。移動の道具が減価するなか、歴史的背景を持つモデルはインフレ耐性を備えた実物資産として選別が進む。趣味の枠を超え、文化遺産としての地位を確立できるか。市場の攻防を追う。

価値の選択

クラシックカーの再定義と未来の姿。
クラシックカーの再定義と未来の姿。

 EVへの移行が避けられない現実となるなかで、古い車を走らせ続けるには、これまで以上にはっきりとした理由が必要になっている。移動の効率が極限まで高まった今の世の中で、あえて不自由な機械を楽しむという行為を、社会はどこまで受け入れるのか。そこが改めて問われている。

 今回の調べでは、「趣味として共に歩む」ことを願う声は27.3%にとどまり、「財産としての価値(26.0%)」や「文化財として守る(21.5%)」を重く見る層と、ほぼ横並びの状態だ。市場が進むべき道が、まだひとつに絞り込まれていない。その迷いが、数字にもはっきりと現れている。

 クラシックカーが直面している壁は、もはや技術的な解決を越え、個人の楽しみと社会的な保存をどう両立させるかという、合意形成の問題へと移っている。単なる乗り物という枠をはみ出し、人類が築いてきた工業の記憶を伝えるものとして重みを増すなかで、その維持にかかる負担を誰がどう分かち合うのか。その覚悟が試されている。

 調査結果に見える思いのばらつきは、持ち主たちが単に車を維持するだけでなく、その存在が世の中でどんな意味を持つのかを自らに問い直している現れだろう。クラシックカーの未来は、個人の好みのままに終わるのか、それとも歴史的な財産としての地位を築くのか。その価値を巡る選択は、これから本格的な決着の時を迎えようとしている。

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