「リチウム利権」の終焉? EV価格を左右するナトリウム量産――利益率25%の鉱山大国から主導権は奪還されるのか

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100億元を投じたCATLのSIB量産が動き出す。リチウム価格は短期で50%超変動し、上流の利益率は15~25%へ拡大した。だが2034年に向け市場は構造転換期に入る。資源優位から製造効率へ――電池覇権の行方を追う。

資源の価値低下

2026年1月23日発表。電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア(画像:マークラインズ)
2026年1月23日発表。電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア(画像:マークラインズ)

 SIBの普及によって、今後リチウム系バッテリー需要が鈍化することが予想される。希少SIBの普及が進めば、リチウム系バッテリーの需要は次第に伸びが鈍るとみられる。希少鉱物の市況に左右されて電池価格が跳ね上がる局面は減り、資源に付いていたプレミアムも薄れていく可能性がある。そうなれば、巨額の初期投資と長期の回収を前提としてきた鉱山企業の収益は揺らぐ。

 これまで15~25%という高い利益率を支えてきたのは、希少資源価格の高止まりだった。それが安定へ向かえば、資源を持つこと自体が生み出してきた収益力は弱まる。国家の戦略物資と位置付けられてきたリチウムも、代替材料の登場によって数ある選択肢の一つへと重みを変える。

 新規鉱山への投資判断も変わる。供給不足よりも、将来の需要が読み切れないことのほうが大きな懸念材料となり、慎重さが増す。結果として、利益の中心は資源の保有から地上での加工や製造の効率へと移る。地下の埋蔵量がもたらしてきた影響力は相対的に低下し、富の源泉は加工技術と生産体制の巧拙へと軸足を移していく。

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