「スズキ一強、マツダは赤字500億円」――中堅4社にみる“全方位経営”の終焉と生存圏の引き直し

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2025年度上期決算が出揃い、中堅4社の明暗が鮮明になった。スズキは営業利益2,700億円超、利益率10%に迫る一方、マツダは500億円規模の赤字。関税や円高といった逆風下で差を分けたのは、市況ではなく各社が選び、捨てた戦略だった。

スバルと三菱が選んだ非競争領域

スバルのロゴマーク(画像:時事)
スバルのロゴマーク(画像:時事)

 スバルの利益減少には、収益の多くを北米に頼っている構造的な理由がある。特定の場所に頼っていると、関税や為替がぶれたときに業績もぶれやすい。

 これは以前から見えていたことで、そのリスクを知っていて、それでも北米でのブランドの力を優先した結果だ。北米には「スバリスト」と呼ばれる強い支持者がいる。その厚い基盤があるから、広告費を抑えてでも高単価なモデルを売り続けられる。

 一方、三菱自動車は採算が出にくかった中国市場から早めに手を引いた。今はアセアン市場を収益の中心に据えている。営業利益率は6%前後で、事業全体としては比較的安定している。スポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップに経営のリソースを絞る姿勢は明快だ。悪い道や悪い天気のなかでも信頼できる――というブランドの印象を、新興国に根付けている。

 両社に共通するのは、「どこで勝てないか」を先に決めた点だ。全方位に広がろうとせず、自社が確実に勝てる場所やカテゴリーを死守する。不透明な時代のなかで、それが今の支えになっている。

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