「スズキ一強、マツダは赤字500億円」――中堅4社にみる“全方位経営”の終焉と生存圏の引き直し
2025年度上期決算が出揃い、中堅4社の明暗が鮮明になった。スズキは営業利益2,700億円超、利益率10%に迫る一方、マツダは500億円規模の赤字。関税や円高といった逆風下で差を分けたのは、市況ではなく各社が選び、捨てた戦略だった。
迷いなきスズキの強さ

マツダとは逆なのがスズキだ。軽量化、コスト削減、インド市場への集中。重視する視点は違っても、行きつく先は同じだ。軽くつくり、無駄を削り、売る場所を絞る――という姿勢を続けている。利益率はほぼ10%。中堅メーカーとしては際立って高い。
その背景には、「Sライト」に象徴される軽量化への考え方や、大きなバッテリーの競争から少し距離を置く電動化への視点がある。インドでは、スズキの存在は車を売るだけでなく、広い範囲のサービス網も含めた生活の基盤になっている。
そこまで地域に根ぐって入っているから、資源価格の高騰がある程度あっても動じない。新型eビターラが掲げる「ちょうどいい」という発想は、「何でも最高スペックにしてやろう」という今の気分とも合っている。
将来、電気自動車(EV)の価格競争がさらに激しくなれば、軽量技術がどこまで通用するかは分からない。だが今は、自ら選んだ場所を明確に決めている。この迷いの少なさが、業績の安定にそのまま反映しているといえる。