「スズキ一強、マツダは赤字500億円」――中堅4社にみる“全方位経営”の終焉と生存圏の引き直し
2025年度上期決算が出揃い、中堅4社の明暗が鮮明になった。スズキは営業利益2,700億円超、利益率10%に迫る一方、マツダは500億円規模の赤字。関税や円高といった逆風下で差を分けたのは、市況ではなく各社が選び、捨てた戦略だった。
割り切れなさを残すマツダの赤字

マツダの赤字については、会社側の説明がある。出荷台数の減少、円高、米国関税の影響。いずれも確認できる事実だ。ただ、決算資料の細部を読むと、ただの市況の悪化では収まらない重みがある。これは、かつての「大量に売る」という路線から離れ、別の道を歩むことで生じる痛みとも読めた。
研究開発費は上期だけで800億円を大きく超え、設備投資も通期で1000億円規模の計画がある。巨額だが、次の世代への準備だ。ただ、その時期がたまたま主力モデルの切り替えと重なったため、収益がぶれやすくなった。
会社側は下期に向けて、1500億円を超える水準の利益改善を掲げている。高単価なモデルの売り上げや原価の見直しを前提としているが、北米で値引きを抑え、将来の中古車の価値も守る姿勢を保ちながらこれを達成するのは、楽観的に映る。
今の赤字は、将来に向けた支払いが今の収益を圧迫している状態だ。それが一時的なものなのか、それとも新しい戦略が実を結ぶまでの時間のズレが出た結果なのか。今の時点で、その成否を出す材料はまだ揃っていない。