「日本の中古車」を日本人が買えなくなる? 自動車販売倒産、新車・中古車も「10年間で最多」という現実 海外バイヤーに買い負ける現場の真実とは

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2025年、中古車販売の倒産は101件に達し利益率は2.1%まで低下。小規模業者は海外バイヤーとの競争に後れを取り、日本人が国内車を手に入れにくい「移動格差」が現実化している。

中古車販売の苦境

日本の中古車市場の危機と戦略。
日本の中古車市場の危機と戦略。

 今回の調査で明らかになった自動車販売業の厳しい現状は、日本が長年保ってきた

「高品質な移動を低価格で提供する」

構造の終わりを示している。2025年に記録された137件の倒産のうち、中古車販売だけで101件を占めた事実は、国内の小規模事業者が外貨を背景にした海外バイヤーとの競争で経済面から後れを取った現実をはっきり示す。

 中古車販売の利益率は2.1%まで低下し、日本円を基盤とする国内向け商売は事実上成立しない水準にある。この状況をそのまま延長して未来を描くことは難しい。

 生き残りの戦略は、従来の価値観である

「自動車を国内消費の中古品として扱う」

考え方を捨て、世界市場で通用する資源として車両を位置づけられるかにかかる。前述のとおり、資本金1000万円未満の事業者の88.1%が苦境に直面するなか、残された道は

・海外資本を活用した輸出ハブへの転換
・メーカーが管理する技術領域への参入

に限られるだろう。対応できない事業者は2026年以降も退出が加速し、国内の流通網は資本力のある大手と、グローバルな転売能力を持つ特殊業者に集中していく。

 結果として、日本人が自国の中古車を適正価格で入手できない状況、すなわち移動の格差は避けられなくなる。この危機を乗り越えるには、精神論ではなく、輸出と国内供給を精密に組み合わせた戦略と、デジタル化による徹底したコスト削減への投資が不可欠だ。

 自動車販売業が小売業から国際的な資産運用業へ転換できるかが、地方の移動基盤の維持と業界の存続を左右する決定的なポイントになる。

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