「日本の中古車」を日本人が買えなくなる? 自動車販売倒産、新車・中古車も「10年間で最多」という現実 海外バイヤーに買い負ける現場の真実とは
2025年、中古車販売の倒産は101件に達し利益率は2.1%まで低下。小規模業者は海外バイヤーとの競争に後れを取り、日本人が国内車を手に入れにくい「移動格差」が現実化している。
制度・技術・市場の三重苦

資本金1000万円未満の小規模・零細販売店は、
・借入金利の上昇
・光熱費、人件費の増加
といった負担をまともに受けている。オークション市場では円安の影響で海外バイヤーの入札が優先される傾向が強まり、国内向けの仕入れは成立しにくくなった。
現行の法規制や補助金制度も、新車購入を促す仕組みに偏っており、中古車流通を支える公的支援はほとんど機能していない。この“制度の空白”が、地方の移動手段を支えてきた小規模店の資金繰りを限界まで追い込んでいる。
技術面では、電気自動車(EV)やハイブリッド車の整備や検査に必要な高度な診断設備や専門知識への投資が、中小販売店の経営を圧迫する。車両のソフトウェア化が進むなか、メーカーの基幹システムにアクセスできない小規模店はメンテナンスの権利を奪われ、流通の構造から排除されるリスクを抱えている。
デジタルオークションやオンライン取引の普及は、表面的な効率化とは裏腹に大手や海外勢に有利な市場環境を固定化し、
「情報や資本力に乏しい小規模店」
の生存圏を狭めている。
海外需要の増加によるオークション価格の高止まりは、国内販売における仕入れコストを慢性的に押し上げ、利益率を根本から圧迫する。中古車登録台数の減少は、消費者が希望する車両を適正価格で入手できない市場の機能不全を示している。
倒産や休廃業・解散の急増は個別企業の問題にとどまらず、市場全体の流動性が低下し、国民の移動の選択肢が必要なレベルまで縮小していることを警告しているのだ。