「成田空港 = 遠い」は過去の話? LCCが変えた時間&金の損益分岐点、羽田18分差を「価格」が飲み込む逆転劇とは

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成田空港は国内線739万人、国際線3220万人を擁するが、羽田再国際化で競争は激化。LCCや鉄道整備が国内線シェアと乗継需要の行方を左右する。

鉄道整備力の競争

比較的簡素な造りの第3ターミナルビル内部(画像:菅原康晴)
比較的簡素な造りの第3ターミナルビル内部(画像:菅原康晴)

 成田空港では現在、2028年度末の供用を目標に、滑走路の新設や延伸が進められている。これに合わせ、既存の三つの旅客ターミナルビルをひとつに集約する「ワンターミナル」計画も進行中である。実現すれば、旅客にとってシンプルでわかりやすい施設になり、機能をコンパクトにまとめることで効率的な運用が可能になる。

 ターミナルを集約することで、国際線と国内線の乗継需要を取り込み、より多様なネットワークをもつ国際ハブ空港を目指す狙いもある。現状の第3ターミナルビルは、第1・第2ターミナルビルと異なり駅とは直結しておらず、シャトルバスはあるものの第2ターミナルから長い距離を歩く必要がある。

 ワンターミナル化でLCC国内線とLCC以外の国際線の乗継がスムーズになれば、地方自治体などが望むインバウンド客の取り込みが拡大する可能性がある。乗継客は基本的に空港内に留まるが、乗継需要が増えれば国内線の就航都市や便数も増加し、通常の国内線利用客にも恩恵が広がる。

 課題のひとつは、京成・JRの成田空港付近に一部単線区間(約9km)が残っており、輸送力増強のボトルネックになっている点である。

 一方、ライバルの羽田空港でも、既存の東京モノレールや京急に加え、JR東日本が既存線を活用した「羽田空港アクセス線(仮称)」の計画を進めており、2031年度の開業を予定している。

 成田空港はLCC誘致を切り札としてきたが、羽田空港との競争では、鉄道の整備が勝敗を左右するカギになりそうだ。

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