「パンプスはもう履かない」 JALグループが1.4万人“スニーカー解禁”に踏み切った根本理由

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国内航空各社でCA・旅客サービススタッフのスニーカー着用が解禁。JALは約1万4000人を対象に導入し、ヒール規定撤廃後5年で実現。身体的負担軽減と安全性向上を狙い、人材確保競争と働き方改革を背景に業界常識が変わる。

国内航空業界で広がるスニーカー解禁

機内でほほ笑むCAイメージ(画像:写真AC)
機内でほほ笑むCAイメージ(画像:写真AC)

 国内航空会社において、客室乗務員(CA)や空港の旅客サービススタッフによるスニーカー着用を認める動きが加速している。長らくこの業界では「男性は革靴、女性はパンプス」という装いが標準とされてきたが、その足元の常識が、根本から変わろうとしている。この変化の背景には、コロナ禍を経て急回復を見せる航空需要と、それにともなって激化する人材確保競争という実利的な課題が存在する。

 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が2025年12月3日に公表した「2027年入社希望対象 就職活動(早期)就職ブランドランキング調査」によれば、全日本空輸(ANA)は前年の61位から6位へ、日本航空(JAL)は75位から26位へと順位を急上昇させた。航空業界が学生の就職先として再び強い存在感を示すなかで、各社は将来にわたる労働力を安定的に確保するため、優秀な人材から選ばれる企業であり続けるための職場環境の整備を急いでいる。

 こうした潮流のなかで、働き方の見直しを具体化させる施策として注目されているのが足元の改革だ。2020年に就航したZIPAIR Tokyoが制服にスニーカーを本格採用したのを皮切りに、2024年にはANAホールディングス傘下のAirJapanもスニーカーやフラットシューズの選択を認めた。さらに2025年4月にはスカイマークがCAおよびグランドスタッフでの導入を開始し、同年11月13日からはJALグループ6社が、国内外の旅客サービススタッフ約1万4000人(委託先社員を含む)を対象にスニーカー着用を可能とする運用へと踏み切った。

 人手不足が深刻化するなかで、労働環境の改善を通じて離職を防ぎ、持続可能な運航体制を維持しようとする各社の判断が、業界全体を動かしている。

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