「成田空港 = 遠い」は過去の話? LCCが変えた時間&金の損益分岐点、羽田18分差を「価格」が飲み込む逆転劇とは
成田空港は国内線739万人、国際線3220万人を擁するが、羽田再国際化で競争は激化。LCCや鉄道整備が国内線シェアと乗継需要の行方を左右する。
時間・料金上の近さ

かつて、成田空港が羽田空港に比べて不利とされた最大の理由は、
「東京の都心から遠い」
ことだった。東京・浜松町から羽田空港(第2ターミナル)までは東京モノレールで18kmに過ぎないのに対し、東京・日暮里から成田空港(空港第2ビル)までは成田スカイアクセス線で61kmある。起点をどこに設定するかにもよるが、この距離の差は大きく、回避しがたいハンデだった。
しかし、2010(平成22)年に成田スカイアクセス線が開業したことで、成田空港までの時間的距離は大きく縮まった。日暮里から成田空港(空港第2ビル)までは特急スカイライナーで最速36分、浜松町から羽田空港(第2ターミナル)までは最速18分である。運賃はスカイライナーが2580円、東京モノレールが520円と差があるものの、成田発着の国内線がLCCで羽田便より数千円安ければ、この時間差と料金差は容易に相殺できる。
さらに、成田発着のLCC国内線には、早朝・深夜便で羽田発便より1万円以上安い場合もある。搭乗前日に空港内のカプセルホテルに1泊したとしても十分にお得になる計算だ。時間を優先せず料金を抑えたい場合は、特急料金のかからない京成線経由のアクセス特急も利用できる。
成田空港にはJRも、羽田空港には京急も乗り入れており、鉄道以外にバスや自家用車といった移動手段もある。すべての手段を比較することは難しいが、開港以来の成田空港の地理的な遠さは、成田スカイアクセス線とLCCの登場により、時間的・料金的には大幅に縮まったといえる。