「小銭お断り」は身近な路線から? 新潟交通「免許センター線」という戦略、国の厳しい要件を“逆転の発想”でクリアか
2024年度に始まった完全キャッシュレスバス実証。2025年度は28事業者44路線が選ばれた。空港や企業輸送だけでなく、新潟の免許センター線も参加する。地方路線が示す現実的な突破口を追う。
完全キャッシュレス実証の選定構造

国土交通省は、2025年度の完全キャッシュレスバス実証運行について、6月26日から7月31日まで一次公募を行い、10月31日から11月21日に二次公募を実施した。その結果、全国で28事業者、44路線が選ばれた。
この実証運行では、国交省が四つの路線区分を設定している。この区分が参加の前提となる。条件に合わない路線は、応募しても選ばれない仕組みだ。具体的には、
1.利用者が限定的な路線(空港・大学・企業輸送路線など)
2.外国人や観光客の利用が多い観光路線
3.様々な利用者がいる生活路線で、キャッシュレス決済比率が高い路線
4.自動運転など他の実証運行を同時に行う路線
である。この記事では「1」に注目したい。
この条件は、空港や大学、特定の企業施設に向かうバスを対象としている。行き先が明確で、利用目的が限られる路線が想定されている。
具体例として、宮城交通が運行する利府駅前から菅谷台四丁目・グランディ21入口を結ぶ臨時バスがある。この路線は、宮城県総合運動公園への移動を目的としている。園内には約5万人を収容できる宮城スタジアムがあり、Jリーグの試合も開催される。利用者の属性が想定しやすく、「1」の条件との相性もよい。このため、2025年度の実証運行に選ばれた。