人材とイノベーションの融合――次世代を担う企業文化と技術者【連載】Make Japanese Cars Great Again(7)
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グローバル体制の構築

日本車を再び偉大にするためには、
・企業文化の再構築
・グローバルな体制の構築
・知材の共同利用
が重要なキーワードとなる。まずは
・技術者をコストとみる体質
・やりがい搾取
・画一的な賃金体系
という従来の企業文化を捨てなければならない。具体的には、右肩上がりの賃金カーブおよび退職金を廃止し、年齢に関係なく一定の賃金とする。技術者も、賃金を上げるためには日々自らスキルを磨き続ける必要がある。
もちろん従来の制度が最適な階層や職種もあるし、従来制度のほうが働きやすいと感じる技術者もいるだろう。企業が優秀な技術者を確保するには、決められたルールに従わせるのではなく、柔軟に働きやすい環境を整えることが重要だ。
グローバルな体制の構築は、量を確保するためにも不可欠であり、国際ネットワークの整備や海外のソフトウェア専業メーカーとの協業が求められる。技術者がグローバルに活躍する場合、英語力は必須である。ここで留意すべきは技術の流出である。階層が上がるほど技術者の移動に伴い、技術も流出する可能性が高くなる。
優秀な技術者は企業の奴隷ではないため、自動車メーカーは技術の流出をある程度容認すべきである。流出を防ぐには、より高い報酬で囲い込むか、あらかじめ流出してもよい技術と核となる技術を整理し、人材を割り振る必要がある。技術者も、守秘義務や法的背景など、流動化に伴うリスクを理解しておく必要がある。
最後に知材の共同利用である。かつてホンダがCVCC技術を他社にも公開したように、新しい技術や知見を共同利用できないだろうか。特に優秀なデジタル人材は日本の自動車産業にとって宝であり、企業の垣根を超えて活躍してもらう方法を模索すべきである。少子化や理工系離れが進む中で、日本車を再び偉大にするためには、技術者こそ金の卵である。