「トランク預け入れ禁止」 もはやモバイルバッテリーは“動く火種”か? 相次ぐ出火事故で変わる航空・高速バスの常識
2025年、モバイルバッテリーによる出火事故が国内外で相次ぎ、航空機や鉄道、高速バス各社が安全規制を強化した。リチウムイオン電池の特性と大規模リコール、所在不明メーカーリストも明らかとなり、公共交通の安全管理が転換点を迎えた。
リチウムイオン電池の特性とリスク

2025年は、モバイルバッテリーの安全性が社会的に問われる年となった。国外でも日本国内でも、旅客機や鉄道車内での出火事故が相次いだ。
モバイルバッテリーの多くはリチウムイオン電池を用いている。リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持ち、小型で大容量の電力を蓄えられる利点がある一方、過充電や物理的な損傷により内部で化学反応が暴走すると発火するリスクがある。
2025年には有名メーカー製品の大規模リコールも発生し、モバイルバッテリーそのものの安全性が改めて問題視された。
中国では出火事故を受け、旅客機へのモバイルバッテリー持ち込みに厳しい制限が導入された。日本では国家レベルで全国統一の規制をトップダウンで施行することは困難だ。それでも国土交通省は、各社への「お願い」という形で安全指針を公表している。
結果として7月には航空会社が新しい持ち込み規定を整備し、10月頃からは高速バス各社も次々と持ち込み規約を見直した。モバイルバッテリーの安全確保は、事業者主導で進む状況である。