「街の動き、丸見えに」 人流ビッグデータで読み解く交通・観光・都市、もはや“経験と勘”の時代は終わったのか?

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モバイル端末の位置情報を活用した人流ビッグデータが、防災や交通、観光の最適化を加速している。自治体や企業は24時間365日、数百万件規模の移動履歴を解析し、混雑緩和や経済活動の効率化に活用している。

都市開発への応用

GPSデータを活用し、バスの運行ダイヤ最適化や交差点の危険箇所分析が行われている交通現場のイメージ。
GPSデータを活用し、バスの運行ダイヤ最適化や交差点の危険箇所分析が行われている交通現場のイメージ。

 近年、人流データはモバイル端末を通じて日常生活のなかで絶えず大量に収集されており、従来の管理ツールでは扱いきれないほどのビッグデータとなっている。ビッグデータは一般に、量の多さ、処理速度の速さ、多様性を特徴とするものとされる。総務省の資料では、人流データのほかに交通データや衛星画像、SNSデータ、インターネット検索データなどもビッグデータの一例として挙げられている。ただし明確な定義は存在しない。

 複数の媒体から収集された人流ビッグデータは、抽出・分析が可能で、サービス化も進んでいる。例えば、携帯電話会社の基地局を活用するサービスでは、電波が接続されている限り常に大量のサンプルを収集できる。しかし、基地局の設置間隔がおおよそ500メートルで、取得間隔が1時間なため、詳細な人流の把握は難しい。こうしたデータは主に、大規模都市開発や商業エリア開発などに活用されることが多い。

 全地球測位システム(GPS)を活用したサービスも存在する。人工衛星からの電波を受信し、地球上の人流データを収集する仕組みである。数分ごとに緯度経度のデータを高精度に取得できる点がメリットだ。しかし、SNSやナビアプリなどのGPS機能を利用するユーザーのデータに限られる。加えて、地下街や屋内などではGPSが正確に機能しない点にも注意が必要だ。

 また、施設に設置されたWi-Fiアクセスポイントを活用して人流を把握するサービスもある。Wi-Fiに接続した利用者のデバイスから移動履歴や滞在時間を収集する仕組みで、商業施設やイベントのマーケティング戦略に活用されることが多い。しかし、Wi-Fiの接続範囲に限りがあり、利用者が接続しなければデータは取得できない。

 さらに、ビーコンやカメラなど、他の媒体からも人流データを抽出できる。それぞれの方法に特徴があり、利用目的に応じて使い分けられる。なお、人流ビッグデータは個人情報が特定されないよう配慮され、管理されている。

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