「最新機能が多すぎて読めません」 クルマの取扱説明書、もはや“辞書”化? 8割以上が通読断念の現実か

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新車の高度化にともない、取扱説明書は厚さ数百ページに達し、通読率はわずか18%。紙の限界をデジタル化と動画マニュアルで克服し、検索性や更新性を高める取り組みが、メーカーの顧客満足戦略の要となっている。

取扱説明書の通読率低迷

あまりにページ数が多いとユーザーは読まない傾向がある?(画像:写真AC)
あまりにページ数が多いとユーザーは読まない傾向がある?(画像:写真AC)

 2008(平成20)年、国土交通省は1198人を対象に「国土交通行政インターネットモニター制度」を実施した。取扱説明書を「全て読んでいる」と答えた人は18.3%にとどまった。「一部必要な箇所だけ読んでいる」が66.2%、「読んでいない」が14.9%で、当時すでに8割以上のユーザーが通読していない実態が浮き彫りになった。

 全て読まない理由として最も多かったのは「取扱で困ったことがないから」の44.3%だった。次いで「内容が分かりにくいから」が23.6%、「家族や知人に聞く方が便利だから」が18.5%である。この結果から、「特に困らないから読まない層」と「読みたいが専門用語や構成が難しくて読めない層」の双方が存在することがわかる。

 取扱説明書やメンテナンスノートの理解度についても調査が行われた。「理解している」と回答した人は11.8%、「ほぼ理解している」が43.2%で、約半数が自分は理解できていると感じていた。一方で、「あまり理解していない」が37.9%、「理解できていない」が6.1%となり、合計44.0%のユーザーが十分に理解できていない状況が確認された。

 前述のとおり、これらのデータは18年前の調査に基づくものである。近年では、車両の高度化やスマートフォン連携の普及にともない、取扱説明書のデジタル化や動画マニュアルの導入が進んでいる。特に若年層やデジタルネイティブ層では、紙の冊子を通読する割合はさらに低くなり、必要な情報をデジタルで確認する傾向が強まっているとみられる。

 数値面だけでなく、年配層や機械操作に不慣れなユーザーは、専門用語の多さや文字の小ささ、読むのに時間がかかることに不満を抱きやすい。また、紙の冊子が分厚くなったことで、グローブボックス内でかさばる、何百ページものなかから必要な情報を探すのが大変といった声もあり、内容だけでなく物理的な扱いにくさもユーザー体験を損なう要因になっている。

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