EV一色では回らない――サプライヤー再編が招いた「部品の集まりすぎ」という新リスク【連載】自動車部品業界ウォッチ(4)
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EVシフトの減速とハイブリッド回帰が進むなか、自動車部品業界では再編が加速している。世界シェア6割を握る企業の誕生や供給遮断リスクが顕在化するなか、効率化と集中が新たな脆弱性を生む構図が浮かび上がる。
コロナ禍が露呈させた集中生産の脆弱性

サプライヤーの一極化がもたらすリスクは、今に始まったことではない。近年の自動車業界にとって最大の教訓となったのは、コロナ禍にともなう供給網の寸断であった。
2019年頃から数年にわたって世界中に広がった感染症の影響により、世界経済は停滞し、多くの自動車メーカーが深刻な減産を余儀なくされた。このとき、生産のボトルネックとなったのも半導体だ。
感染拡大防止のためのロックダウンによる供給停止に加え、北米の寒波といった自然災害も重なった。国内でも茨城県に拠点を持つルネサスの工場火災が発生し、特定の製造拠点に依存する体制の危うさが露呈した。
こうした事態を経て、生産拠点の分散や地政学的リスクへの備えが重要視されるようになった。しかし足元のサプライヤー業界で起きているのは、生き残りを優先した事業の集約と一極化である。
EVシフトとハイブリッド回帰という複雑な市場動向への対応は急務だが、特定の企業に製造機能が集中することは、かつてのコロナ禍や最新のネクスペリア事件で見られたような供給遮断のリスクを再び高めることにつながる。
効率化を求めて進む再編が、同時に供給網の急所を増やす結果になっていないか。予期せぬ混乱を避けるためにも、自動車メーカーとサプライヤーは、資本の論理を超えた強靭な供給体制の構築を急ぐ必要がある。