「昔からの仲間だし……」 なぜ運送会社は不正を通報できないのか? 白ナンバー不正や低運賃ダンピング、仲間意識が阻む業界浄化の現実とは
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「不正を働く運送会社は許せない」と憤る一方で、通報せず、かばうような行動に出る運送会社がある。背後には、業界内のいびつな仲間意識と、行政への根強い不信感がある。
自社リスクが生む沈黙のインセンティブ

荷主に対して運送会社の立場は弱く、さらに自然災害や交通渋滞といった外部要因によって、意図せずコンプライアンス違反に至るケースは後を絶たない。そのため、「コンプライアンスを完全に守れている」と断言できる運送会社はごく限られる。
この状況では、内集団バイアスとは別に、
「自社も同じような問題を抱えている」
という意識が働き、不正を行う他社を通報することをためらってしまう。通報をきっかけに自社への監査につながり、かえって不利な立場に追い込まれるという懸念もある。運送会社がブラック運送会社を通報できる環境を整えるには、
「通報した側が守られ、不利益を受けない仕組み」
が不可欠だ。脛に傷を抱える運送会社であっても、通報へのインセンティブとして一定の減免や免除を認める司法取引のような制度を設けることも検討すべきだろう。
政府が本気で物流革新政策の実現を目指すのであれば、運送業界向けの公益通報制度の構築を急ぐべきだ。