「昔からの仲間だし……」 なぜ運送会社は不正を通報できないのか? 白ナンバー不正や低運賃ダンピング、仲間意識が阻む業界浄化の現実とは
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「不正を働く運送会社は許せない」と憤る一方で、通報せず、かばうような行動に出る運送会社がある。背後には、業界内のいびつな仲間意識と、行政への根強い不信感がある。
想定外要因が生む労務違反の連鎖

改善基準告示は構造が複雑で、すべての規定を理解するだけでも高いハードルがある。現場では、交通渋滞や荷主都合の待機が発生し、運送会社が組んだ運行計画どおりに進まないことが多い。
外的要因による残業で一日の拘束時間を超えてしまい、意図しないコンプライアンス違反が起きる場合もある。そこまで至らない場合でも、本来は翌日以降の運行計画を調整し、ドライバーの勤務時間を短縮したり休ませたりする必要が生じる。しかし、既に受託した荷主に
「実はあなたの仕事で担当するはずだったドライバーが、昨日、長時間労働してしまったので今日は荷物を運ぶことができません」
と説明することは現実的ではない。こうして、ドミノ倒しのように小さな違反が積み重なっていく。ほかにも、荷主に強く求められ、
・積載オーバーの輸送を行ってしまう
・休息を十分に取らせないまま長距離輸送を続けてしまう
ケースもある。
さらにコンプライアンス違反ではないが、帰り荷が確保できず、赤字を少しでも減らすために、本来なら受けない低運賃の輸送を引き受けるといった状況も発生している。