高速道路施設の「大型化」が与える地域経済へのダメージ! 川口ハイウェイオアシス開業で考える

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首都高初のハイウェイオアシスとなる「川口ハイウェイオアシス」がオープンした。今後、地域性を感じるような施設開発も期待できるかもしれない。

SA・PA・ハイウェイオアシスの違いとは

埼玉県川口市にある川口ハイウェイオアシス(画像:首都高速道路サービス)
埼玉県川口市にある川口ハイウェイオアシス(画像:首都高速道路サービス)

 ゴールデンウイークを目前にした2022年4月25日、首都高初のハイウェイオアシスとなる「川口ハイウェイオアシス」(埼玉県川口市)がオープンした。

 ハイウェイオアシスとは高速道路の休憩施設のひとつだが、都市公園などと一体的に整備して、高速道路の利用者に潤いのあるスペースを提供する施設になっている。高速道路の休憩施設には、そのほかにもサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)がある。

 これらを区別する厳密な定義はないが、ざっくり分類すると

・PA:「駐車場+トイレ+自販機/売店」などから構成されて人を休ませる目的の施設

・SA:「駐車場+トイレ+売店+レストラン」などから構成されて人と車を休ませる目的の施設

・ハイウェイオアシス:多機能に複合されてそれ自体が利用目的となる施設

となる。

 川口ハイウェイオアシスは隣接するイイナパーク川口(赤山歴史自然公園)と一体化されており、屋内型プレイグラウンド「ASOBooN(アソブーン)」を導入したことが注目されている。

 同施設は子どもを対象にした輸入遊具の開発・販売を手掛け、ショップとプレイグラウンドを国内に展開するボーネルンド(東京都渋谷区)が監修。同社の監修施設と言えば、2011(平成23)年8月に東京ドームシティに導入された屋内型プレイグラウンドの人気施設「ASOBono!(アソボーノ)」がある。

 ASOBooNの料金は子どもひとり+大人ひとりで1500円(税込み、平日は時間無制限、土・日・祝日は2時間30分)。関東最大級の大きさで七つの遊び場からなり、ファミリーのちょっとしたレジャーにはちょうどよいかもしれない。

メロンパンブームで有名になった海老名SA

神奈川県海老名市にある「海老名SA」(画像:(C)Google)
神奈川県海老名市にある「海老名SA」(画像:(C)Google)

 近年、観光地などの目的地へとむかう広域交通網の通過地点である場所が、ショッピングや観光・レジャーの目的地となる事例が散見されるようになっている。モータリゼーションで言えば、高速道路のSA・PAが商業地化・観光地化することである。

 SA・PAが商業地として注目を集めるようになったきっかけは、2000年代はじめの海老名SAにおけるメロンパンブームだろう。販売店「ぽるとがる」の出店当初は大きな話題にはならなかったが口コミで人気が拡大、メロンパンを目的にSAを利用する人が増加していった。

 その集客力を目の当たりにして、SA・PAは積極的にリニューアルを実施し、テナントを拡充していくようになる。サン・テグジュペリの人気小説をテーマにした「星の王子様PA」(埼玉県寄居町、2021年事業終了)など、ミニテーマパーク型の施設も現れた。

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