スーパーの棚から商品が消えた──「お弁当」「冷凍食品」「日用品」まで買えなくなる日常危機の正体
スーパーの棚から商品が消え、牛乳や日用品が手に入らない──そんな日常の不便は、物流網に直撃するサイバー攻撃の兆候でもある。
サプライチェーン全体への波及

スーパーマーケットやコンビニエンスストアに行くと、いつもは当たり前のように並んでいる商品が欠けていることに気づくときがある。お弁当や冷凍食品、日用品の棚がまばらになるだけで、普段の生活にちょっとした不便を感じるだろう。だが、こうした現象は品切れで片づけられる話ではない。物流やサプライチェーンに深刻な問題が起きている兆候である。自分には関係ないと思っていても、日常の買い物はこうしたシステムの上に成り立っている。
近年、多くの企業でデジタル化が進む一方、サイバー攻撃による被害も増えている。サプライチェーン上の一社が攻撃を受けると、その取引先や委託先にも影響が広がるリスクが高い。
攻撃を受けた企業はデータセンターのネットワークを遮断せざるを得ず、在庫管理や配送、販売データの同期が止まる。結果として受注や出荷業務が機能しなくなる可能性がある。流通網全体に遅延が生じ、多くの店舗で商品の価格調整や品薄が連鎖するだろう。
影響は倉庫や店舗だけにとどまらない。物流のハブや配送ルート、トラックや貨物列車の運行スケジュールにも波及するため、輸送効率や配送コストにも影響が出る。都市部と地方で輸送インフラに差がある場合、地域ごとに影響の度合いが異なることも考えられる。さらに、複数の企業が同じ物流プラットフォームを共有している場合には、影響範囲が複数業界に及ぶ可能性もある。
こうした状況は短期間で市場環境を変化させる。出荷数の減少により、消費者や取引先が競合他社に切り替える動きが加速し、信頼の損失や販売機会の減少につながる。サプライチェーンの停止は在庫不足にとどまらず、流通の仕組み全体の脆弱性を露呈させることになる。