東京・高円寺“破壊計画”にSNS騒然! 「再開発反対」「利益得るのは誰だ」――16m道路で街の個性は消えるのか?

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東京都と杉並区の再開発計画で、高円寺北口の純情商店街・庚申通りが幅員16mの道路で丸ごと消滅の危機。Xでは数千筆の署名が集まり、文化・土地価格・地域経済への影響が議論を呼んでいる。

筆者の意見

X(旧ツイッター)にトレンド入りした「高円寺純情商店街破壊計画に住民反発、数千筆の緊急署名集まる」
X(旧ツイッター)にトレンド入りした「高円寺純情商店街破壊計画に住民反発、数千筆の緊急署名集まる」

 筆者は今回の「補助第227号線」北口区間の再推進が、政策目的に対して過剰に強引であると考える。費用対効果、都市文化の持続性、手続き民主主義の観点から問題は大きい。

 高円寺の魅力は、戦後の混沌を受け継いだ複雑な街路と、前述のとおり、独立系商店が作る雑多な連続性にある。補助227号線の整備は、この核を破壊し、高層化やチェーン店化による街の均質化を招く可能性が極めて高い。政策評価では

・歩行者の安全
・防災機能

が強調されるが、独自性の喪失による来街者減や文化損失の外部不経済は十分に考慮されていない。

 なお、2025年6月の杉並区議会で、今後の事業化にどのように影響するのかと質問があった。区側は、南北方向の道路基盤が脆弱な杉並区では整備効果が高いと説明した。そのうえで、直ちに事業に着手するのではなく、まず道路を含めた地域のまちづくりを住民と共に検討し、合意形成を進めることが重要だと答弁している。

 地域経済への悪影響も大きい。純情商店街や庚申通り商店街は、ただの商業集積ではなく、高円寺の

・音楽文化
・古着文化
・独立系飲食産業

を支える基盤である。道路整備でこれらの店が立ち退かされれば、

・文化店舗の撤退
・チェーン店の拡大
・街の均質化
・来街者減少

という負の循環が生じる。高円寺の魅力は「狭さ」「密度」「非計画性」に支えられており、道路拡幅がそのまま文化的衰退につながる構造を行政は理解していないのではないか。

 南北交通の改善や防災性向上を目的とするなら、街を壊さずに効果を得る方法は十分ある。小規模な街路改修、バリアフリー整備、ボトルネックの解消、歩行者空間の整備、建物耐震化への補助拡充などである。

「大動脈の新設ありき」

という都市計画の論理は、2020年代の価値観と乖離している。

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