AV時代に必須? 信号機に「白色」が必要な根本理由
自動運転車(AV)とネットワーク型信号の導入が、交通効率と燃費改善に直結し始めた。白信号を加えた交差点では、AV割合10%で遅延3%減、30%で10.7%減を実現。港湾など限定環境でのパイロット導入も進み、道路設計のあり方が一変する可能性が浮上している。
港湾でのパイロット導入

研究チームは2020年に白色信号のアイデアを初めて提案した。しかし、信号機がAVの情報を受信して最適なルートを計算する集中型システムでは処理遅延が発生することに気づいた。集中型のコンセプトは実用的ではなかったため、研究チームはより分散型のシステムを設計した。
分散型のシステムは効率が高く、通信障害にも強い。AVと信号機の通信に中断やタイムラグがあっても、分散コンピューティングのアプローチなら補完や迂回が可能で、交通の流れを遅延なく処理できる。
研究チームは、まず港湾のように管理された環境で白信号を導入するパイロットプログラムを開始できると説明する。港湾では作業用のAVの割合を高めやすく、4つ目の信号を追加することで運用効率を向上させられると見込んでいる。
基本的な信号は赤、黄、緑のままだ。しかし白色信号のコンセプトは、将来的に米国や世界中の運転や道路交通のあり方を大きく変える可能性を秘めている。