世界初「水陸両用船」の無人運転に成功! 独自路線がキラリと光る「埼玉工業大学」とはどのような大学なのか
埼玉県深谷市にある埼玉工業大学は、自動運転実証実験やバスの自動運転を行うなどの研究を行っている。そんな同大が世界で初めて成功した実証実験とは何か。
世界初を成し遂げた埼玉工業大学

さて、次世代モビリティの最前線研究といえば、このような有名大学のイメージがあるが、地方大学のなかには独自路線で研究開発、実証実験を行っている大学もあるのをご存じだろうか。
今回紹介する埼玉工業大学(埼玉県深谷市)は、1976(昭和51)年設立の私立大学だ。現在は、
・工学部(機械工学科、生命環境化学科、情報システム学科)
・人間社会学部(情報社会学科、心理学科)
の2学部構成だが、その歴史は古く、1903(明治36)年創立の東京商工学校までさかのぼる。
同大は2017年10月からスタートした、内閣府が中心となった各省庁連携プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)・自動走行システム」に私立大学として唯一参加している。
深谷市の公道で、自動運転実証実験やバスの自動運転を行うなど、地域自治体での実践的な研究を実施した。
世界初 水陸両用車の自動運転に成功

そして2022年3月14日には、なんと世界初となる水陸両用車の自動運転に成功している。
日本財団の推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に参加し、ITbookテクノロジー(東京都港区)と共同研究開発を行い、八ッ場あがつま湖(群馬県長野原町)での水陸両用車「八ッ場にゃがてん号」の自動運転、運航を行ったのだ。
・陸上からの入水
・障害物を認識しながらの航行
・水上から陸上への移動
という、特殊車両の一連の流れを日本で初めて成功させた。自動運転というと自動車が一般的だが、船の自動運航へとつながる大きな成果といえる。
MEGURI2040の元来の目的は、海の事故の減少や海運の人手不足解消といった課題解決だ。水陸両用車は観光用の車両というイメージあるが、今後期待される役割は大きい。