「税金491億円」投入も大失敗? 大宮駅前の再開発、大規模施設でも“雑居ビル化”の辛らつ現実

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大宮駅東口に総工費658億円で建設された複合施設「大宮門街」は、商業・オフィス・防災機能を備えるも、空きテナントや複雑な導線が課題。税金491億円投入の再開発が抱える現実を検証する。

テナント交渉の困難

大宮門街(画像:宮田直太郎)
大宮門街(画像:宮田直太郎)

 では、なぜ大宮門街はこれほど問題の多い施設になってしまったのか。それは

「あまりにも複雑な管理・運営体制」

にあると考えられる。再開発ビルの管理組合を構成する会社は18社にも上る。商業施設のふたつの棟も運営会社が異なり、

・東側のEAST棟:大栄不動産
・西側のWEST棟:中央デパート

が運営している。

 これだけ管理会社が多いと、テナント側は交渉が難しい。管理者や運営者の意見が食い違い、各フロアのコンセプト策定やイベント実施にも時間がかかる。ウェブサイトの改修なども同様で、各管理者・運営者の承認を得る必要があり、調整に手間と時間がかかる。

 管理者が異なることで、関係する不動産会社も異なる。実際、1階のふたつの空きテナントの連絡先を確認すると、それぞれ別の不動産会社が担当していた。同じ建物なのに複数の不動産会社に連絡しなければならないのは、入居希望者にとって非常に不便である。このような状況では、テナント集めが苦しくなるのも当然だろう。

 この開発方式は以前紹介した十条のジェイドモールでも見られた。複数主体による組合開発が抱える問題を如実に示す事例である。

 さらに1階の空きテナントの賃料は7坪で25万4100円/月~(カインドエステート社調べ)である。1坪あたりに換算すると約3万6285円で、大宮駅東口の飲食店相場2万3546円(飲食店ドットコム、2024年)に比べると割高だ(154%)。

 新しい建物とはいえ、制約条件が多く使い勝手の制限もあることを考えると、多くの事業者が割高と判断するのも無理はない。

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