「税金491億円」投入も大失敗? 大宮駅前の再開発、大規模施設でも“雑居ビル化”の辛らつ現実

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大宮駅東口に総工費658億円で建設された複合施設「大宮門街」は、商業・オフィス・防災機能を備えるも、空きテナントや複雑な導線が課題。税金491億円投入の再開発が抱える現実を検証する。

利用客との乖離したテナント配置

大宮門街(画像:宮田直太郎)
大宮門街(画像:宮田直太郎)

 商業施設はWEST棟とEAST棟のふたつの建物にわかれ、各階は連絡通路でつながっている。しかし通路からそれぞれの建物に入る1階の入り口は自動ドアではなく、ドアノブを回して開けるタイプだ。オフィスの裏口や非常口のように見え、総工費658億円のビルとは思えない。なぜ来訪者に手間をかけさせる設計になっているのか疑問が残る。

 テナント構成は、WEST棟・EAST棟とも人気飲食店が中心だ。「おかげ庵」や麻辣湯の人気店「七宝麻辣湯」、100円ショップの「セリア」などが入居しており、利用客も多い。なお「セリア」や「七宝麻辣湯」が入居したエリアにはかつて「ザ・ガーデン自由が丘」があったが、入居からわずか2年余りで撤退している。

 1階の郵便局やみずほ銀行は、建物の外に出なければ入れない構造になっており、周囲のテナントとの一体感はほとんどない。メインエントランスからエスカレーターで2階に上がると、携帯ショップや着物レンタル店などが並ぶ。他の商業施設ならもっと高い階にあるショップだ。カフェを利用する人はそれなりにいるが、大宮駅東口周辺の繁華街には到底及ばない。

 3階から4階は、商業施設とは思えない構成になっている。医療系のテナントが中心で、立地が悪くても訪れる必要のある店しか入っていない。筆者が訪問したのは3連休の中日の日曜日だったが、ほとんどのクリニックは閉まっており、通行人もごくわずかだった。地方の商店街のシャッター街のような光景で、

「これが大宮の市街地なのか」

と疑問を抱かざるを得なかった。

 さらにWEST棟4階はRaiBoC Hallで、商業施設ではない。EAST棟5~6階には高単価な飲食店、例えば叙々苑などが入居している。WEST棟4階のRaiBoC Hallを利用する人が気軽に立ち寄れる店はなく、3~4階の医療系テナントと高単価飲食店との配置も不自然だ。

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