「税金491億円」投入も大失敗? 大宮駅前の再開発、大規模施設でも“雑居ビル化”の辛らつ現実
658億円再開発の経緯

まずは大宮門街が誕生するきっかけとなった再開発の経緯を整理する。大宮は鉄道開業以前から、武蔵一宮氷川神社の門前町や中山道の宿場町として栄えてきた。鉄道開業後は、東北・上越・北陸方面への列車が分岐する鉄道の街として急速に都市化した。
しかし駅前は多くの地権者が入り組む場所となり、区画整理や交通整備は遅れた。その結果、建て替えが難しい雑居ビルが並ぶ街となり、建物の老朽化や防災面の課題を抱える地域になった。これは大宮市、さらに合併後のさいたま市にとって大きな課題となった。複数の再開発計画が策定されるなか、特に注目を集めたのが、大宮の象徴だった大宮中央デパート(1966年開業)の跡地を整備する大宮門街の計画である。
2009(平成21)年3月、大門町2丁目中地区市街地再開発準備組合が設立された。2012年に市街地再開発事業の計画が策定され、2014年には大宮駅大門町2丁目中地区市街地再開発組合が発足する。2017年7月の大宮中央デパート営業休止後、建物解体を含む本格的な事業が始まった。建設は2018年にスタートし、2022年に竣工・開業した。
大宮門街は1~6階が商業施設、4~9階に市民会館「RaiBoC Hall(レイボックホール)」、10~18階がオフィスとなる。また免震構造を持ち、72時間対応の非常用発電機も整備され、防災機能も強化された。商業、行政、防災など複数の機能を備え、長年抱えた大宮駅東口周辺の課題解決が期待された。
しかし開業から3年足らずで、さまざまな問題が浮上している。高層オフィスは「日高屋」運営のハイデイ日高本社や全国生活協同組合連合会本部などが入居し、入居率は100%で問題はない。RaiBoC Hallもイベント時には賑わう。しかし1~6階の商業フロアは評判が悪く、街づくり系のYouTuberなどで批判が拡散されている。筆者(宮田直太郎、フリーライター)も10月の連休中に訪れたが、目の当たりにしたのは、問題を抱えすぎる構造であった。