「税金491億円」投入も大失敗? 大宮駅前の再開発、大規模施設でも“雑居ビル化”の辛らつ現実
大宮駅東口に総工費658億円で建設された複合施設「大宮門街」は、商業・オフィス・防災機能を備えるも、空きテナントや複雑な導線が課題。税金491億円投入の再開発が抱える現実を検証する。
公共資金投入の妥当性

施設全体を見た印象として、ただテナントを埋めただけという印象が強い。どの階に何があるのかは調べなければわからない構造だ。実際、医療系テナントが多い3~4階には、他の階にもあるような不動産屋や買い取り屋が混在し、歯科医院は1階に入っているなど、フロアごとに特化した構成になっていない。どの層をターゲットに集客しているのかがわかりにくい。
このテナント構成に対する批判は強く、市政側からも疑問が上がっている。さいたま市議会議員の吉田一郎氏は2022年7月18日の街頭演説で、
「税金を491億円投入しながらも、そこらの雑居ビルに入っているような雑居ビルと変わらない」
と指摘している。またRaiBoC Hallについては
「大道具搬入用エレベーターが小さすぎて、搬入できない道具もある。旧市民会館で行っていたようなテレビ番組の大掛かりな公開収録などもできないのではないか」
と問題点を挙げた。この演説の様子は吉田氏のYouTubeチャンネルで確認できる。
さらに1階の複雑な構造と狭い入り口は、防災面でも懸念を抱かせる。万が一、広いメインエントランス近くで出火した場合、狭い出入り口に人が集中し、群集事故や逃げ遅れによる一酸化炭素中毒など、最悪の事態が起こりかねない。
素人の杞憂であってほしいが、防災機能の向上が再開発の背景にあるだけに、導線確保が不十分な建物になったのは問題だ。過去の大規模火災は、構造が複雑で逃げ遅れやすい建物で発生する傾向があり、なおさら気になるポイントである。